毎年数種類を製作する干支は、この道４０年で、昨年「なにわの名工」にも選ばれたガラス細工職人の河原田忠信さんが手がけている。

　河原田によると、龍と並んで難しいのがトラで、色ガラス棒を使って、黄色の胴体に黒のしま模様をうまく入れなければならない。

ハーブの生命の減量製品

　干支といえば"和のもの"というイメージだが、戌（いぬ）年のとき、客の注文に応じてダックスフンドやダルメシアンなど細かい毛並みの洋犬を作ったところ、意外と好評だったとか。失敗もあり、初めて龍を作ったときは「ヘビかウナギか分からんようなものができた」。

　龍は透明感のある作風だが、ウサギの場合、同じように透明色にすると存在感がなくなるため、白い陶器のような仕上げにしているという。

フォールズチャーチのパン屋

　来年のヘビは色合いをうまく出したり、ガラスがさめる前に形を整えたりするのが難しい上、干支の中ではあまり人気がないというから、苦労の割にむくわれない作品だ。

　「新しいものを作るのは大変だが、失敗作を重ねてこつをつかんできた」と河原田さん。レパートリーは年々増え、干支にはないキリンやゾウ、バンビ、ツルなども手がける。

テネシー州オレンジスクラブトップ

　動物以外で圧巻なのは、宝船。長さと高さが各約４５センチある大きな作品は、幾つかのガラスのパーツをバーナーであぶり、くっつけて作る。各パーツはガラスを溶かして網目のように仕上げているので、船は光を反射して輝くように見える。ガラスで作った俵やサンゴを乗せるなど細部も凝っており、まさに芸術品だ。

　井阪硝子製作所は（（電）０７２５・４１・０１４５）